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女性の起業は難しい?女性起業家の実情とこれからねらい目の職種

女性の社会進出が進む昨今ですが、勤め人になるのではなく、自ら起業したいと考える女性も少なくはありません。

インターネットやスマートフォンの普及に伴い、以前よりは起業のハードルも低くなっているようです。

しかし、出産や育児の負担が多い女性にとって、起業してもうまくいかないという事例も少なくはない様子。今回は、日本の女性起業家の実態とともに、女性だからこそ目をつけておきたい職種やおすすめのサイトを紹介します。

データで見る女性起業家の実態

女性の起業は、現在の日本でどの程度浸透しているのでしょうか。中小企業庁がまとめた「2017年中小企業白書」をもとに、男性や過去のデータと比較しながら紹介します。

女性起業家の割合と年齢構成について

女性の起業希望者は増加していても起業家は減少

2012年における女性の起業希望者の男女比は、男性66.6%、女性33.4%。2007年に行われた同調査では、男性69.4%、女性30.6%であることから女性の起業希望者数は増えていて、女性の社会進出が進んでいることがわかります。

しかし、実際に起業した起業家の数を比較してみると、男性71.2%に対し、女性は28.8%にとどまっています。
起業を夢見ているものの、さまざまな事情から諦めてしまう女性が多いようです。

起業家の平均年齢は上昇中

2012年の最新調査では、男性起業家の平均年齢は49.7歳で、前調査よりも10.0歳上昇。
女性起業家の平均年齢は44.7歳で、前調査よりも7.6歳上昇しています。
男性の方が平均年齢だけではなく、上昇率も高いようです。これは、定年退職後に起業する男性が増加しているからと考えられるでしょう。

また、起業家の年齢別構成では、女性の起業家のうち43.4%が39歳以下で起業しています。同年代で起業した男性起業家は30.7%であることから、女性の方が早いうちから起業する傾向にあるようです。

しかし、構成比だけを見ると39歳以下の女性起業家は年々減少しています。1979年の調査では63.2%でしたが、現在は20%近く落ち込んでいるようです。
反対に、50・60代で起業する女性の割合は非常に多くなっています。1979年の調査で50代の女性起業家は10.4%、60代の女性起業家はわずか4.6%でしたが、2012年の調査では50代は15.0%、60代は20.3%となり、着実に増加しています。これも女性の社会進出が進んだことと、高齢化社会で健康で活力のある50・60代が増えた結果といえるでしょう。

女性起業家からはサービス業が圧倒的な人気

男女別に見た、起業家の業種構成の推移では、男性と比較して女性には小売業や飲食サービス業、その他サービス業に人気が集中していることがわかりました。特にその他サービス業は年々増加していて、2012年の調査では半数以上の割合を占めています。
反対に農林漁業や建設業など、体力を求められる仕事を選択するのはやはり男性起業家に多いようです。

女性の起業に対する関心は?

起業に無関心な女性多数

成人男女でも、起業に関心のある人は決して多くはありません。全体では77.7%の人が「起業に興味がない」と回答しています。特に女性の無関心割合は顕著で、84.6%もの人が「興味がない」と答えているようです。

理由を尋ねてみたところ「リスクが高い」と「所得・収入が不安定」が圧倒的多数を占めていました。特に女性は現実的思考になる傾向があるようです。
しかし、周りに起業している人がいないことも、無関心の理由と考えられます。

現に起業無関心者で「周りに起業した人がいない」と答えた人は72.7%にも達するのに、起業準備者・希望者でそう答えた人は40.1%となっていて、大きな開きが見られます。
反対に、「起業した人(知人・友人・家族など)がいる」と答えた起業準備者・希望者は、「起業した人がいる」と答えた起業無関心者の数をはるかに上回っていました。
実際にロールモデルがいないと、起業するという発想自体が浮かんでこないのかもしれませんね。

起業に興味を持つきっかけは男女で大きな差が

「起業に関心を持ったきっかけ」の調査でヘア、59歳以下までは男女四方に「周囲の起業家・経営者の影響」がトップ。やはり身近に起業家がいると、起業への関心が高まるようですね。60歳以上の理由のトップが「時間的な余裕ができた」からであるところも男女共通です。

しかし、2位以下の理由となると男女でがらっと変わります。
男性は「勤務先の不安・待遇悪化」や「勤務先でやりたいことができない」を理由に挙げる人が目立ちますが、女性はどの年代でも「家庭環境の変化(結婚・出産・介護など)」が上位につけています。
ライフスタイルに合わせて働き方を考えた結果として、起業を考える人が女性には多いようです。
反対に、男性に一定多数見られる「事業化できるアイデアを思い付いた」と答えた女性は少数。
このことから「起業したいから始めた」ではなく「起業せざるを得ない状況になったから始めた」という女性が多いことがわかります。

日本の女性起業家は世界と比べてまだまだ少数

男女別の起業家活躍活動指数を見ると、ブラジルや中国は男女で大きな差がありませんが、日本では男性の活躍指数が女性の約3倍に迫っています。いくら女性の起業家は増えていますが、国際的に見ればまだまだ少数といえるでしょう。
また、日本の起業家活躍活動指数自体も諸外国と比較すると低く、今後の改善が期待されます。

起業する女性が知っておきたい制度やサイト

世界的に見ると、日本の女性起業家は決して活躍度が高いといえず、また起業にネガティブな印象を抱いている女性が多いことがわかりました。
しかし、それは起業の実態を知らずに、イメージだけで何となく避けている人が多い結果ともいえます。
現在、さまざまな自治体が女性の起業をすすめています。これらの助成制度を利用すれば、起業は決して夢ではないでしょう。

女性の起業を助ける制度

女性・若者・シニア起業家支援資金

女性、または35歳未満か55歳以上の人で、起業する人、または起業7年以内の起業家は資金の融資を受けられます。日本政策金融公庫の施策であるため、信頼して頼ることができるでしょう。
融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、返済期間は設備資金20年以内、運転資金は7年以内(いずれも据置期間2年)と決められています。
また、中小支援事業の一環として直接貸付で7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円)の融資を受けられる制度もあります。

ちふれ女性起業家支援制度

知名度の高い化粧品メーカー「ちふれ」は、資本金と貸付金の支援を行っています。資本金は100万円、貸付金額は1件当たり最高900万円です。支援を受けるまでのプロセスは、書類選考に始まり、面接・プレゼンとステップが決められているので、選考者にアピールできるような計画を練りましょう。
2017年に第5回募集が行われています。2018年の実施は未定ですが、毎年8月前後に行われているようなのでこまめにサイトをチェックしておきたいものです。

代表的な2つの支援制度を紹介しましたが、「横浜市じょせい応援資金」や「東京都 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」など、助成事業を展開している自治体も少なくはありません。あなたが住んでいる地域の助成制度はないか、市区役所などの公式サイトからチェックしてみましょう。

女性起業家向けのサイト

起業に興味がある、または起業家になることを決意したものの、どのように事業を始めればいいのかわからないという人は、下記サイトを参考にしてみてください。
起業のノウハウから、女性ならではの問題へのアドバイスも得られるでしょう。

わたしと起業.com

女性の起業家情報が得られる「わたしと起業.com」は、一度は目を通しておきたいサイトです。職種別や年代別の企業事例集が掲載されているので、きっと企業の役に立つでしょう。起業相談のコーナーやeラーニングで学べる起業講座もあるので、気軽に利用できる点が魅力です。

女性社長.net

日本最大級の女性社長のデータベースサイトといえば「女性社長.net」。日本全国でセミナーも頻繁に開催しているため、起業セミナーを探している人は必見です。メールマガジンを利用することで、コラボや取材を受けられる機会も利用できるでしょう。

ドリームゲート

起業・会社独立を目指す人は、「ドリームゲート」もおすすめです。起業マニュアルを紹介しているので、起業の手順やノウハウを勉強できます。
また、事業計画書の作成方法や資金調達方法まで、役に立つ情報が充実しているので、きっと起業の役に立つはずです。
起業セミナーやコンサルタントの情報も手に入れられるでしょう。

Womenwill

「WomenWill」は、在宅起業を考えている女性にぴったりのサイトです。オンラインレッスンを受けることで、働き方改革のポイントがわかり、また効率の良い仕事方法がわかるでしょう。

女性におすすめのねらい目職種

すでに飽和状態の業種・職種もありますが、現代社会に合ったねらい目の職種が少なくはありません。ここでは、女性にぴったりの職種を紹介しましょう。

結婚相談所

恋愛関連では、俄然男性よりも女性の方が情報量、理解力ともに有利です。現在「日本結婚相談所連盟」をはじめ、さまざまな結婚相談所が、独立して結婚相談所を運営する人材を求めています。近年拡大する婚活市場で、結婚相談所の需要はうなぎのぼり。
粗利率は高いのに設備投資はさほど必要ありませんので、ローリスクハイリターンの職種といえるでしょう。実際に独立した人は20代から50代までさまざま。
人の相談にのることが好き、幸せな恋愛を望んでいる人は考えてみてはいかがでしょうか。

家事代行サービス

共働き世帯の増加・女性の社会進出が進むにつれて、家事を代行サービスに依頼する人が増加しています。
そんな家事代行サービスは、自宅で開業できるところが魅力。家事に自信があればあるほど、顧客はつきやすく高い収入も期待できるでしょう。自分で開業する手もありますが、まずはハウスクリーニング業界に登録するところから始めると、サポートや研修が受けられるのでおすすめです。

まとめ

女性の起業は難しいように感じられますが、女性の意見が何かと注目される昨今に合って、女性ならではのビジネスは今後栄えていくのではないかと予想されます。さまざまなサポートや支援サービスも存在するので、これから起業することを考えている人は参考にしてみてはいかがでしょうか。

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