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副業をしていても安心!年末調整の基礎知識と気をつけるポイント

「副業したいが会社で禁止しているので心配だ」という人は少なくありません。しかし、副業していることを会社に知られずにすむ方法はあります。

そのポイントは住民税です。確定申告で住民税の納め方を指定することで、会社に副業を知られるリスクを下げられます。しかし、サラリーマンにとって「年末調整」は身近でも、「確定申告」はしたことがない、という人も多いものです。「年末調整」と「確定申告」はどんな関係にあるのでしょうか。住民税とのかかわりについても知っておきましょう。

そもそも年末調整ってどんなものなの?

年末調整とは、その年の所得税を決めるための手続きです。所得税は、原則的に累進課税です。すなわち、その年の所得の合計金額から控除額を差し引いた課税所得に対し、段階的に設定された所得税がかかってくるしくみです。たとえば、課税所得が330万円超~695万円以下なら、所得税率は20%です。

しかし、年末にいきなり多額の所得税を納めるとなると、支払えない人も出てきます。そこで、国は確実に所得税を徴収するために、あらかじめ各人のおおよその給与所得を算出し、これに基づいて所得税額を割り出して、毎月の給与から天引きしています。これを特別徴収といいます。
天引きで徴収される税額は概算なので、実際の所得税額との間に差が生じます。そのため、多く徴収しすぎた場合は還付し、少ない場合は再徴収しなくてはなりません。このしくみが年末調整です。

課税所得を求めるとき、所得の合計金額からさまざまな所得控除を差し引いて、税金を安くすることができます。所得控除には、誰でも利用できる基礎控除のほかに、医療費控除や生命保険料控除、社会保険料控除や配偶者控除などがあります。これらの控除額は、年末にならないと正確に把握できません。年の途中で子どもが生まれたり、家を買ったりすることもあるからです。年末調整で会社から「給与所得者の扶養控除等(異動) 申告書」や「 住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン控除)」などの書類を渡されて記入した経験があるでしょう。これらの書類は控除額を決めるために必要なものなのです。

副業で得た所得はどうすればいいの?

それでは、副業で得た所得については、どうすればよいのでしょうか。ポイントは、その所得が給与として受け取ったものなのか、そうでないのか、というところにあります。もし、給与として受け取ったなら、その額に関係なく、確定申告しなくてはなりません。しかし、事業所得や雑所得などの給与以外の所得だった場合は、20万円以下であれば確定申告の必要はありません。

給与所得として得た副業の収入や20万円を超える雑所得などがある場合は、翌年の2月16日~3月15日の間にそのエリアを管轄する税務署に出向いて、確定申告の手続きをする必要があります。

副業を会社に知られるのはなぜ?

副業が会社に知られないようにするためには、そもそも「なぜ副業が知られてしまうのか」について知っておくことが大切です。会社が副業に気づくきっかけとなるのが、「住民税の手続き」です。

所得税がその年の所得にかかってくる国税なのに対し、住民税は前年の所得にかかってくる市町村税です。すなわち、年末調整や確定申告によって確定した課税所得に基づいて、その翌年の住民税の税額が決まってくるのです。

確定した課税所得のうち、給与所得の分については、翌年の給与から天引きして徴収することが地方税法で決まっています。そのため、副業で得た給与についても、本業の会社の給与から天引きされるのです。給与所得以外の所得についても、別途申請しないかぎり天引きの対象となります。

会社は天引きした住民税を市町村に納税する義務を負っています。そのため、いくら天引きすればよいか、市町村から通知を受けます。通知には、給与所得とそれ以外の所得が記載されているので、会社が支給した給与より記載額が多いと、会社は副業で給与を得ていることに気づくのです。もちろん、給与以外の所得についても把握されています。

副業を知られないようにするには?

副業を知られないようにするには、住民税を自分で支払えば良いのです。税金を納付書で自ら納めることを普通納付といいます。

確定申告をするとき提出する書類(確定申告書の第ニ表)に、住民税をどのような方法で納付するか選択する欄があります。「給与から差引き」と「自分で納付」という選択肢があるので、「自分で納付」を選びます。すると、自宅に住民税の納付書が届きます。その結果、会社には住民税の通知が行かないので、副業に気づかれるおそれがなくなります。副業が給与所得でない場合は、この方法を使えば会社に知られずにすむ確率は高いでしょう。

ただし、一つ問題があります。法律的には、給与所得は普通納付できないことになっています。そのため、法律を遵守する市町村だった場合、副業が給与所得なら「自分で納付」を選んでも特別徴収扱いになって、会社に通知が行くおそれがあります。しかし、多くの市町村では、住民サービスの一環として、給与所得でも普通納付を認めています。副業を会社に知られたくない事情を市町村に説明すれば、善処してもらえることも少なくありません。まずは、お住いの市町村の担当窓口に電話して、相談してみてはいかがでしょうか。

住民税を自分で納付しよう!

住民税を普通納付することを確定申告で指定すれば、副業を会社に知られずにすむかもしれません。とくに、副業が給与所得でないなら、この可能性は高いでしょう。ただし、普通納付を選んだ場合でも、会社に住民税の通知が行くことがあり、絶対に会社に知られない保証はない、と考えた方が無難です。

また、たとえ会社から何も言われない場合でも、副業が知られていないとは限りません。様子見しているだけ、ということもあるからです。

政府は、副業を推進しています。しかし、副業を禁止している企業はいまだ少なくなく、今後の動向に注目していく必要がありそうです。
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